手元に残る Sora 動画の来歴を確かめる
OpenAI の案内では、Sora の Web/App は 2026年4月26日に提供を終了し、Sora API も 2026年9月24日に停止が予定されています。そのため、このページは終了したサービスの使い方ではなく、すでに手元にある、あるいは保存済みのファイルを調べるための手順です。鍵になるのは元の MP4/MOV をそのまま保つことです。AICheck365 は C2PA/JUMBF、コンテナのフィールド、SEI マーカー、抽出したフレームの透かしを、ブラウザの中だけで確認します。
結論:判断材料はコンテナに残った証拠です
編集や再エンコードをする前に、ダウンロードしたままのファイルを調べてください。読み取れる C2PA 宣言や Sora 由来の文字列が見つかれば来歴の裏づけになります。ただし逆は成り立ちません。シグナルが無いことは、その動画が Sora で作られていない証明にはならず、単にこのコピーに読める証拠が残っていないという意味です。
テスト範囲と証拠の強さ
| Sora 回帰テスト | リポジトリのテストスイートは Sora と Sora Pro の MP4 フィクスチャを解析し、C2PA と Sora 固有の検出の両方を検証しています。これはパーサーの動作確認であり、あらゆる Sora 書き出しを網羅したベンチマークではありません。 |
|---|---|
| ブラウザで試せる動画サンプル | 読み込める Google Veo の MP4 には有効な Google 生成 AI の C2PA があり、MP4 のエンコードツール値も Google です。ブラウザ側の BMFF/C2PA 処理を確かめるためのもので、Sora 固有の来歴ではありません。 |
| 検証したパーサー | aicheck 0.2.0(Rust/WASM、C2PA は c2pa-rs 0.82 経路、ボックスと ilst フィールドは MP4 コンテナスキャナ)。 |
確認できるシグナル
| C2PA / JUMBF | 最も強い層です。元のコンテナに digitalSourceType、claim_generator、contentauth、OpenAI 関連の来歴文字列が残っていれば読み取れます。 |
|---|---|
| MP4/MOV メタデータ | 中程度です。ftyp ブランド、ボックスツリー、udta/meta/ilst、エンコーダーやソフトウェアのフィールド、AIGC 系のラベルなどが対象になります。 |
| SEI マーカー | 弱〜中程度です。ビットストリームに埋め込まれた生成器の文字列は、リマックスなら残ることがありますが、完全な再エンコードでは失われます。 |
| フレーム透かし | 弱い層です。メタデータが空だったときの最後の手掛かりとして、抽出したフレームを調べます。 |
サービス終了と、ファイルの真正性は別の話です
提供終了の日付が意味するのは製品を使えるかどうかであって、手元のファイルが本物かどうかではありません。むしろ終了後は、新しく生成し直して比較するという手が使えなくなるため、元ファイルを保全することの価値が上がります。共有用に書き出したものではなく、ダウンロードしたままのファイルを保管してください。
動画の証拠が消える経路は画像より多い
動画は配信の途中で何度も書き換えられます。どの段階で何が失われるかを知っておくと、空の結果を正しく読めます。
- SNS への投稿:ほぼ確実に再エンコードされ、コンテナのメタデータは作り直されます。
- メッセージアプリでの転送:圧縮と共に udta/meta の中身が失われがちです。
- 画面録画:まったく新しいファイルになり、録画ソフト自身の情報だけが残ります。
- トリミングや書き出し:編集ソフトが C2PA を引き継がない場合、マニフェストは破棄されます。
保存済み Sora ファイルの調べ方
- 元ファイルを確保する — ダウンロードした MP4/MOV をそのまま残し、複製の方を解析します。編集アプリや SNS を経由させないでください。
- コンテナを調べる — MP4/MOV メタデータ検査ツールを開き、ボックスツリー、ツールやソフトウェアのフィールド、C2PA のテキストを確認します。
- C2PA は慎重に読む — アルゴリズム生成を宣言した有効なマニフェストは、ファイル名や単発の文字列一致よりはるかに強い証拠です。
- 必要ならフレームを見る — コンテナ側が空だった場合に限り、フル検出を実行してフレームの透かしを調べます。
- 文脈ごと記録する — ファイル名、入手日、入手元の URL や受け渡しの経緯、検出結果を残します。どれか一つで真正性が確定するわけではありません。
制限
- 読める信号が無いことは、その動画が人間の手によるものだという証明にはなりません。
- SNS、画面録画、編集ソフト、トランスコーダーはコンテナのメタデータを削除または上書きします。
- サービス終了日は製品の提供状況を示すもので、個々の保存ファイルの真正性とは関係ありません。
- このツールが示すのは来歴の手掛かりであり、法的な真正性の判定ではありません。
手を加えていない書き出しなら、まずコンテナの証拠から始めてください。フレーム解析はそれが空だったときの次の一手です。
よくある質問
Sora はまだ使えますか?
OpenAI は Sora の Web/App が 2026年4月26日に終了したと案内しています。Sora API も 2026年9月24日に停止予定です。このページは、すでに手元にあるファイルや保存済みのファイルを対象にしています。
保存した Sora 動画なら必ず判別できますか?
いいえ。示せるのはファイルに残っている証拠だけです。トランスコード、画面録画、編集、メタデータの削除によって、最も強い来歴の信号は失われることがあります。
Sora 動画のスクリーンショットでも調べられますか?
元の動画を使ってください。スクリーンショットは新しい画像ファイルであり、MP4 や C2PA のコンテナ証拠はまず残っていません。
ファイルはアップロードされますか?
いいえ。解析は WebAssembly にコンパイルされた Rust がブラウザ内で行うため、動画は端末から出ません。
出典と検証記録
- OpenAI: Sora の提供終了について — 公式の終了日と API 移行の詳細です。
- AICheck365 公開サンプル記録 — サンプルの出所、テスト日、観測された信号と既知の限界です。
- C2PA 技術仕様 2.2 — マニフェスト構造とアサーション、署名検証の要件です。
- AICheck365 の検査方法論 — 証拠の強さと、信号が無い場合の解釈を説明しています。